優しい、、優しい嘘

学校の帰り、バスケ部の練習で遅くなる私を待っていてくれるあなたが、よく使っていたドトール。一緒に寄ったコンビニ。馴染みのスポーツ店。カラオケボックス。

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そうそう（笑）、BDの発売日になると朝から無理やり付き合わせた書店。

全然興味を持ってくれないアニメ映画に付き合わせた映画館。

何も、、何も変わっていない街。

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だけどね、不思議なほど思い出さなかったんだ。

、、、もうあなたはいないってこと。

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時間って凄いね。

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あの日、先輩に汚されてしまった私。

沢山の男の人を受け入れてしまった私。

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どうしようもなく酷いことをしてしまった私。

お別れを選択した私たち。

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そんな私にあなたは言ってくれたね。

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本当に君だけが好きだったんだ。絶対忘れないよ、、、って。

三年経ってお互いフリーだったら、その時はまた出会い直そう、、、って。

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大嘘、、でもやさしい、、やさしい嘘。

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だから、、生きてゆけた。もう一度、夢に向かって歩き出せた。

会えなくなっても、この空の下では、あなたが一緒にいてくれるって、、思えたから。

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大嘘つきの優くん。

でも、そんなやさしい嘘を笑って頷いた私のほうがよっぽど、、、大嘘つき。

お互いさまだよね。

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あれからもうすぐ三年だね。

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聞いてくれるかな？

私、小児科医を目指すことに決めたんだ。

頑張って頑張って、これからも勉強して、あの日の夢を実現させるんだ。

そして、、あなたの子供が病気になったら、私が必ず治してあげる。

どこにいたって飛んでいく。

絶対にそんな医師になる。

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あなたが選んだあの子。

どんなに羡んだって、諦めずに頑張ったって、私は決して彼女にはなれないから。

だからもう良いんだ！

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あなたの嘘は今でも宝物。

私の心を癒す魔法の言葉。

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だから私は祈っている。

あなたがこれからもずっと幸せでありますようにって。

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心から、、心から、祈り続けられるんだ。

【補足】

美幸のその後をお伝えしたいと思いました。

先輩の策略に陥落してしまった美幸。

幼馴染みから長年恋人同士だった優と、今は別れてしまった美幸ですが、いつか彼女にも幸せになって欲しいと作者も思います。

投稿される方の参考になるかもしれません。