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完パスの代償は痴漢でした

投稿:2023-12-26 10:06:59

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怜音◆JVZwYxI(京都府/20代)

私が完パスするようになったのは最近の事でした。

それまでの私も、全ての人に女装がバレていた訳ではありませんが、時折、私を二度見してくる人がいました。

私は試行錯誤を繰り返し、サロンで脱毛やスキンケアをしたり、地毛を伸ばしてウィッグをやめたりしましたが、最終的に完パスの決定打となったのは、胸の大きさでした。

私は何の考えもなく、女装用のシリコンバストを装着していましたが、女装用品は女らしさを大袈裟にデフォルメしているケースが多く、胸の形や位置が不自然になっていました。

私は、女らしくなった胸を強調するようなファッションを好んでしていましたが、本物の女性の多くが胸を隠すような洋服を着ていて、わざわざ「胸が小さく見える」ブラジャーをする人もいました。

私は貧乳の純女も使用している「盛りブラ」を装着するようにしました。

私は胸のボリュームを失いましたが、その代わりに、自然な乳房の形状を得ることが出来ました。

すると「今までの努力は何だったのか」と思う程、私はあっさりとパス出来るようになったのです。

考えてみると、本物の女性でも大きな胸を強調している人は、男女問わず注目を集めていて、二度見の対象となっていました。

結果的に、私は女装用品を一切排除した事により、本物の女性に見える様になっていました。

私は女として普通に街を歩ける事に喜びを感じました。

しかし、完パスして気付いた事は「世の中には痴漢が多い」という事でした。

私は、痴漢といえば満員の電車やバスに限った事だと思っていましたが、実際には、どこにでも痴漢はいました。

私が繁華街の混雑している歩道を歩いていると、すれ違い様に股間を触られた事がありました。

その時の痴漢は、東南アジア系の30代くらいの男性で、私はその男とぶつかりそうになったので、半身になり道を譲ると、その男は、私の股間を手のひらで触ってきたのです。

男はスカートの上から私の股間をさわり、曲げた中指と薬指を股間の隙間に差し込み、男の私にはある筈のないクリトリスを撫でていました。

私は突然の事に、自分が何をされたのか分からず、我に返った時には、その男の姿を見失っていました。

また、そこまであからさまな痴漢ではありませんが、狭い通路ですれ違う時に手の甲でお尻を触られる事や、階段やエスカレーターでスカートの中を覗れたり盗撮されたり、何百メートルも後を付けられる事は日常茶飯事でした。

私は本物の女性たちが痴漢にどう対処しているのかが気になり、彼女たちを観察していると、生まれた時から女性だった彼女たちは、普段から様々な痴漢対策をしている事に気付きました。

彼女たちは、背負ったリュックでお尻をガードしたり、横を向いてエスカレーターに乗ったり、そもそも、危なそうな男を避けていました。

その点、最近女になったばかりの私は、全くのノーガードの状態で、痴漢たちの格好の標的になっていました。

しかし、女性として扱われる事が喜びである私にとって、痴漢やナンパは自分の女としての魅力が認められた気がして、男を挑発するようなファッションをやめる事はありませんでした。

私は女装の醍醐味であるミニスカートを穿く為に、ミニスカートがデフォルトの地雷系のファッションで女装し、男たちのエロい視線を釘付けにしていました。

そして、あの夜…。

私は、いつものように女装外出を楽しみ、終電を降りて自宅に向かって歩いていました。

深夜の住宅街には人影はありませんでしたが、若い男性が私の後をつけていました。

その男は太った体型をしていて、スエット姿でボサボサの髪型をしていた事から、ニートのような印象の男でした。

私は男モードの時に、何度かその男を見かけた事があり、近所に住んでいる男だと思い、特に気にしていませんでした。

また、私の後をつけてくる男の多くが、ナンパをする勇気のない人で、私のお尻や太ももを眺めるだけだった事も、私が無警戒になっていた理由でした。

その日の私も、お尻がギリギリ隠れる丈のミニスカートを穿いていました。

私は男モードの時と同様に、帰り道をショートカットする為、公園を斜めに横断する事にしました。

そして、公園の中ほどまでやって来ると、後ろから駆け足の靴音が近付いてきました。

私が振り返ると、そこには私の後をつけていた男がいました。

私は痴漢をされると思い、咄嗟に自分のお尻を両手で押さえましたが、男は私にタックルをすると、芝生の上に私を押し倒し、両腕がお尻の下敷きになっている私の胴体の上に跨り、格闘技でいうマウントポジションになりました。

両腕の自由を失った私は、男から胸を揉まれましたが、自分の置かれている状況が理解できないでいました。

声が男である私は、女装中に声を出さない様に気を付けていて、驚いたことに、こんな緊急事態になっても、私は声を上げる事が出来ませんでした。

私の胸を乱暴に揉んでいた男は、次の行為をする為に、自分のズボンを下着と一緒に下ろしました。

私には、公園の外灯に照らされた、自分のモノとは形状の違う勃起した男性器が目に入りました。

男は自分の男性器を私の顔に近づける為に、体を前にズラし私の胸の上に跨りました。

自分の体の下敷きになっている私の両腕は動かす事が出来ませんでしたが、男が移動した事により、私の両足が自由になりました。

私が男の背中に膝蹴りを入れると、男は私の顔に男性器を押し付けながら、前に倒れました。

私は芝生の上を転がり男の下から抜け出しましたが、男は私をレイプする事を諦めていないようで、もう一度、私の上に覆い被さろうとしていました。

しかし、完全に四肢が自由になっていた私は、仰向けの姿勢のまま自転車をこぐように脚を動かし、何度も男を蹴りました。

地雷系のファッションをしていた私は、おでこ靴と呼ばれるヒールのあるパンプスを履いていて、その硬いヒールはピンヒール程ではないものの、充分に凶器になりました。

私に顔や腹を何度も蹴られた男はうめき声を上げてうずくまったので、私は男を公園に残して家まで逃げました。

家に着いた私は、すぐに顔を洗いましたが、顔に残った他人の男性器の感触が消える事はありませんでした。

私の体は、肘や手の甲に擦り傷があるだけでしたが、お気に入りの洋服やリュックには草の汁が付着しているだけではなく、ブラウスやスカートは破れていて、リュックのベルトが千切れていました。

私はシャワーを浴び傷の手当をしましたが、興奮して、その夜は寝る事が出来ませんでした。

翌朝、私は出勤する為に、男モードの格好で公園に行きました。

早朝の公園には誰もおらず、私が押し倒された場所の雑草が不自然な形に倒れていて、リュックに付けていたチャームが落ちていました。

私は、本当に男からレイプされそうになったのだと実感していると、徐々に怖くなってきました。

今回は、不慣れな単独犯による衝動的犯行でしたが、これが、複数犯や計画的犯行だったら、私は逃げる事が出来ず、本物の女ではないとバレれば、何をされるか分かりませんでした。

私が公園の出口に行くと、そこには「チカン注意!」と書かれた古びた看板がありました。

私は毎日のように、その看板の前を歩いていたのに、その存在に気付いていませんでした。

そして、看板に書かれた「チカン」という言葉は、レイプや強姦をマイルドに言い換えた言葉だと気付きました。

私が男目線でその公園を見ると、周囲を道路と桜の木で囲まれている公園は、レイプに適していて、古びた看板からは、何年も前から、この公園でレイプ事件が多発していた事を物語っていました。

私は、完パスした事で、現実世界にレイプ犯がいる事を身をもって知りました…。

-終わり-
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