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【お勧め】最初は疎ましく思っていた貧乳の新入社員だけど、いつの間にか好きになってた

先輩さん(20代)からの投稿
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最初はなんとも思っていなかった。

オレが社会人になって5年目のことだ。

学校を出たばかりの女の新人がオレの部署に配属になって、いつまでもヒラのオレはどういう風の吹き回しか教育係を仰せつかった。

顔立ちは悪くはないが、痩せ過ぎで胸はペッタンコ、その上に着なれていない新調のスーツにメガネ姿の新人は、オレの前に来ると何だか怯えた目をしてペコリと頭を下げた。

「倉木です。宜しくお願いします」

"何だよ、もう少しマシな女の子はいくらでもいただろうに・・・"

オレは出るところは出ていて、引っ込むところは引っ込んでいる女が好きだった。

誰が採用したのかは知らないが、心の中で悪態を吐きながらおざなりに挨拶をすると、新人の顔が少し曇ったように見えた。

どうやらオレは心の中で思ったことが露骨に顔に出てしまうタチらしい。

"構うもんか。どうせ、仕事もロクにできやしないんだから"

そう思って、適当にオレの下請けみたいな仕事をさせてみた。

「そこに過去のファイルがあるから、前の稟議書を見て作ってみてよ。あ、データはパソコンの中な」

オレはそれだけ言い置いて、さっさと取引先へと向かった。

取引先を二軒回って昼過ぎに会社に戻ってみると、オレの机の上にはさっき頼んだ書類がきちんと揃えてクリアファイルに分けて置かれていた。

どうせオレが手直しをしないと使えないのに資料なのに、印刷代が無駄だと思って思わず舌打ちをした。

「あの、先輩・・・、お昼は?」

席に着くと新人が遠慮がちにオレに話しかけてきたが、オレは犬を追い払うように手を振りながら応えた。

「オレ、外で食ってきたから。お前も適当に食ってこいよ」

「そうですか・・・。では、ちょっと行ってきます」

新人はそう言うと、自分のカバンから小さなポーチを取り出し、それを手にオフィスを出て行った。

出掛けている間に入ってきていたメールを読んで、新人にやらせてみた書類に目を通し始めたところで、オレは思わず椅子の背もたれから背を浮かせた。

集合研修を受けてからの配属とはいえ、かなりのクオリティの高さだった。

と言うか、ファイルされていた過去の書類よりもすっきりと纏まっていて、そのまま稟議に回しても通りそうなほどだった。

サンプルとして見てもらった過去の書類はオレが作ったものだったのだが。

他の新人くんたちはみんなたっぷり1時間の休憩を取って戻ってくるというのに、倉木は30分も経たないうちに席に戻ってきた。

「なんだ、ちゃんと食ってきたのか?」

「はい」

「何を食ったんだ?」

「すぐそこのお蕎麦屋さんに行ってきました」

倉木はポーチをカバンに戻しながら言った。

「お蕎麦屋さんって、道を渡ったところの?」

「はい」

「あそこ、不味かっただろう?」

「はい」

あまりにも素直でストレートな返事だったので、オレは思わず笑ってしまった。

それに頼んでいた仕事の出来がよかったので、気を良くしたオレはちょっとだけ新人を見直していた。

「明日は、もっと美味い定食屋に連れていってやるよ」

そう言うと、倉木はその日、初めて笑ってみせた。

少し大きめの白い前歯を見せた倉木がほんの少しだけ可愛らしく見えた。

「それに、もっとゆっくりしてきていいんだぞ」

そう言うと、倉木は真顔に戻ってオレに言った。

「先輩が午後の営業に出てしまう前に、次に何をすればいいのか聞いておきたくって・・・」

当然の印象ではあるが、オレはどうやらあまり面倒見のいい教育係ではないと思われたようだった。

少し試してやろうという気持ちもあって、夏のキャンペーン用の企画書に使う資料を頼んでみた。

夕方になってオフィスに戻ってきた時、昼食の後で頼んだ資料も出来上がっていて、こちらもいい出来映えだった。

「じゅあ、明日はこれをやっておいてくれるかな」

そう言って自分の仕事に戻ると、倉木も自分の席に着いて作業を始めた。

「おい、明日でいいぞ、それ」

「はい」

倉木はそう言いながらも1時間くらい残業を続けていたが、やがて席を立ち上がった。

「何かお手伝いできることはありますか?」

「いや、もう上がってくれていいぞ」

「はい、それではお先に失礼します」

倉木はそう言うとオレなんかに頭を下げて帰って行った。

翌朝、出社してみると倉木のハーフコートがもう背もたれに掛かっていた。

昨日頼んだ仕事も仕上がっていて、オレのデスクに揃えて置いてあった。

出来の良さだけだはなくて、仕事も早いようだ。

「おはようございます」

倉木はオレに声をかけるとポーチをカバンにしまって、席に着いた。

「おはよう。昨日の書類だけどハンコを押しておいただろう。稟議に回しておいてくれるかな?」

パソコンを見ながら倉木に言うと、何か言い辛そうにモジモジしている様子なのに返事がない。

そこでオレが顔を上げると倉木が言った。

「先輩、すみません。ハンコをいただいたらもういいのかと思って部長に回して、笹倉さんにも渡してしまいました・・・」

笹倉さんは工場に製品を発注してくれる部署の人なので、倉木のやってくれたことは間違ってはいなかった。

むしろ、何も教えていないのに何をどうすべきなのか解っているようで驚きだった。

誰かに教えてもらったのかもしれないが、自分で動ける証拠だ。

「いや、それならいいんだ・・・。それなら・・・、工場に納期の確認だけしておいてくれ」

そう言うと、倉木は小さく"ハイ"とだけ答えて席に着くと仕事を始めた。

しばらく経ってから、倉木が言った。

「工場側も指定の納期で大丈夫だそうです」

倉木が電話をした様子はなく、メールで返信をもらうにしても返事が早すぎる気がした。

「メールで確認は取れているのか?」

「えっ?あ、はい」

「それならそのメールを稟議書と一緒にファイルしておいてくれ」

「はい」

何故だか倉木はホッとした表情を見せていた。

でもそのことにはそれ以上触れずに、オレはカバンを掴むと外勤に出掛けた。

取引先との話が長くなって、オレがオフィスに戻ったのはランチタイムがかなり過ぎてからだった。

定食屋に連れていってやると前の日に言ったことを思い出して、ちょっと申し訳なく思い、心が痛んだ。

「倉木さん、ついさっきまで待ってたみたいですけど軽く食事を済ませてくるそうです」

隣の課の女の子がご丁寧にも教えてくれた。

"電話かメールの一本でも入れておいてやれば良かったかな"

そう思いながら、今朝の倉木の様子が気になってファイルの書類を見てみた。

言いつけ通り、工場から納期の確認メールがファイルされていた。

書類を戻そうとした時、メールの日付が目に止まり、目を凝らして見てみると昨日の日付だった。

倉木はオレが指示をしなくても必要なことは全て済ませていたのだった。

"済んでいるならそう言ってくれればいいのに・・・"

ひとりごちたが、倉木がそういう話をしにくいオーラをオレは発していたのだろうと思い直して、オレは何も見なかったことにした。

オレはそれから何日か倉木に仕事を振り続け、倉木はその度にオレを驚かせた。

「倉木・・・、お前、本当に新卒なのか?」

「どういうことですか?」

いつもの通り、蚊の鳴くような小さな声で倉木は聞き返してきた。

「いや、この仕事ぶりは新人じゃないだろう?」

「それって、褒めてもらってます?」

倉木は久しぶりに嬉しそうな顔をした。

そんな顔をされて少しバツの悪くなったオレは、パソコンの画面に目を戻すと次の訪問先に持っていく資料を探した。

「これですよね?」

後ろから声をかけられて、振り向くときちんとホッチキス止めをした資料の束を倉木に渡された。

「おう、サンキュ・・・」

「いいえ」

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